■光の入射角をコントロールして遮熱性と採光性を両立■ 異型断面ポリエステル繊維「WM Tech」を開発
帝人フロンティア株式会社(本社:大阪市北区、社長:平田 恭成)は、独自のポリマーコントロール技術と原糸製造技術を応用し、光の入射角で変化する反射・透過メカニズムを有するジグザク扁平断面の原糸を開発しました。さらに、この原糸の特性を活用することで、カーテンに求められる遮熱性と採光性を両立した異型断面ポリエステル繊維「WM Tech(ウム テック)」を開発しました。
1.開発の背景
(1)近年、住環境における快適性向上や省エネ・熱中症対策のニーズが増加しており、カーテンにも採光性や遮熱性、遮像性など複数の機能が求められています。
(2)こうした中、帝人フロンティアでは、特殊ポリマーによるUVカット機能を有し、糸の断面を四つ山扁平形状とすることで、ほどよい採光性と室内の様子が見えにくい遮像性を有するレースカーテン向けポリエステル素材「ウェーブロン +(プラス)」を展開していますが、近赤外線は遮蔽しないため、遮熱性が課題でした。
(3)また、一般的な遮熱性レースカーテンには、主にFD(*1)原糸が使用されているため、近赤外線は遮蔽するものの、可視光の透過性が低く、室内が暗くなるという課題がありました。このように、レースカーテン素材において、遮熱性と採光性の両立は困難となっていました。
(*1)FD(フルダル):酸化チタンを多く含む繊維で、光の反射・吸収特性により、紫外線や可視光線などの透過を防ぐ作用を有する。
(4)このような課題に対して、帝人フロンティアは、遮熱性と採光性という相反する機能の両立を実現するために、繊維表面への太陽光の入射角が小さければ透過しやすく、大きくなれば反射するという、光の反射・透過メカニズムに着目し、近赤外線を反射しながら可視光線をほどよく透過させる、新たな機能原糸の開発を進めてきました。
(5)そしてこのたび、独自のポリマーコントロール技術および原糸製造技術を応用してジグザグ形状の特殊扁平断面の原糸を開発し、酸化チタンを使用せずに光の入射角をコントロールすることで、遮熱性と採光性を両立する異型断面ポリエステル繊維「WM Tech」の開発に成功しました。

「WM Tech」の断面電顕写真
2.「WM Tech」の特長
(1)高い遮熱性
繊維表面のジグザグ形状の角度を、近赤外線の入射角を大きくして最適に反射させるように設計することで、高い遮熱性を実現しました。このことで、従来のFD原糸を使用した遮熱性カーテン素材と同等の室内の温度上昇抑制効果(*2)を発揮します。
(*2)帝人フロンティア調べ
(2)採光性と遮像性を発揮
ポリマーに酸化チタンを使用しておらず、また、可視光線は近赤外線に比べて、ジグザク形状の表面でも透過しやすい性質を持っているため、ほどよい採光性を有し、遮熱性とともに室内の明るさが確保できます。また、可視光線が反射と拡散をするとともに、原糸と原糸の間の空隙が埋まる扁平断面構造であることから、昼夜を問わず住宅内の人のシルエットや室内の様子が見えにくい遮像性も有します。
(3)高いUV遮蔽性
「WM Tech」のポリマーは、特殊な紫外線遮蔽剤を組み込んでいるため高いUV遮蔽性を有します。

3.今後の展開
2026年4月からカーテン向け原糸として販売を開始し、売上目標は2027年度までに1億円、2030年度までに5億円を計画しています。
【 報道関係のお問合せ先 】
帝人フロンティア株式会社 広報部 TEL(06)6233-2180

